「アニメ化決定って発表されたけど、放送はいつになるの?」
「制作ってそんなに時間がかかるの?」
お気に入りの漫画や小説がアニメ化されると、誰もが放送日を心待ちにしますよね。
しかし実際には、アニメ化決定から放送までに1年以上かかるケースも多いのが現実です。
この記事では、アニメ化が発表されてから放送に至るまでの流れを、
・制作スケジュールの段階ごとの目安
・どんな作業が行われているのか
・発表から放送までが早い・遅い理由
などを詳しく解説します。
アニメ化決定から放送までの平均期間はどのくらい?
一般的に、アニメ化決定から放送までの期間は約1年〜2年が目安です。
ただし作品の規模や制作体制によって差があります。
| 規模 | 期間の目安 | 例 |
|---|---|---|
| 通常の深夜アニメ | 約1〜1年半 | 『推しの子』『チェンソーマン』など |
| 映画化・大型作品 | 約2〜3年 | 『鬼滅の刃 無限列車編』『スパイファミリー CODE:White』 |
| 短編・OVA作品 | 半年〜1年 | イベント限定上映など |
アニメ化の発表があった時点では、すでに企画や脚本の初期段階が進んでいる場合も多く、
「制作決定=制作開始」ではなく、「制作決定=公表可能になった段階」と理解しておくのがポイントです。
アニメ化決定から放送までの流れ【6つのステップ】
① 企画・立案(約3〜6か月)
出版社・アニメ制作会社・製作委員会が企画を立ち上げます。
原作人気やアニメ化による売上効果を分析し、投資判断・監督選定・放送枠交渉などを行います。
この段階では「まだ水面下の話」で、発表前の準備が進んでいます。
② 制作準備・脚本・キャラデザイン(約3〜6か月)
監督・脚本家・キャラクターデザイナーが決定し、設定資料やシナリオが作られます。
「ティザービジュアル」や「キービジュアル」がこの時期に制作され、発表用の素材として使われます。
③ アニメ化発表(広報・宣伝開始)
公式SNSやイベントで「アニメ化決定!」と公表されるのがこのタイミングです。
ただし、この時点では作画が始まっていないケースが多いです。
一方でPVや声優情報が出る場合は、かなり制作が進行している証拠です。
④ アニメ制作(約6〜12か月)
実際のアニメ制作に入ります。
絵コンテ → 作画 → 背景 → 撮影 → 編集 → 音響 → 完成
という流れで、1クール(12〜13話)で約9か月前後が一般的です。
近年は3DCGやデジタル化の影響で効率化も進んでいますが、制作スケジュールが過密な現場も多く、
「作画崩壊」などのトラブルもこの時期に起こりやすいです。
⑤ 声優・音響収録(約2〜3か月)
声優の収録は、アニメ制作の後半で行われます。
映像の完成度が7割程度になった段階でアフレコが始まり、
音楽(OP・ED・劇伴)や効果音の調整も並行して進みます。
⑥ 放送・配信開始
すべての工程が完了すると、テレビ局や配信プラットフォーム(Netflix・Prime Videoなど)で放送開始。
放送開始の約2〜3か月前には、メインキャストやOP主題歌が発表され、宣伝活動が本格化します。
アニメ化決定から放送までが「早い・遅い」理由
早い場合(半年〜1年)
- すでに制作が進んでいた(“後出し発表”)
- 1クール作品で作画負担が少ない
- 人気原作で資金調達がスムーズ
- 配信先が決まっている(Netflixオリジナルなど)
遅い場合(2年以上)
- 原作のストックが足りない
- 制作会社のスケジュールが埋まっている
- 作画・演出にこだわる(劇場版クラスのクオリティ)
- 外部スタジオとの共同制作による調整が必要
特に人気作品ほどスケジュールが複雑になりやすく、発表から2年経って放送というのも珍しくありません。
アニメ化決定から放送までの実例
| 作品名 | アニメ化発表 | 放送開始 | 期間 |
|---|---|---|---|
| チェンソーマン | 2020年12月 | 2022年10月 | 約1年10か月 |
| スパイファミリー | 2021年11月 | 2022年4月 | 約5か月 |
| 葬送のフリーレン | 2022年9月 | 2023年9月 | 約1年 |
| 推しの子 | 2021年6月 | 2023年4月 | 約1年10か月 |
平均して1年〜2年程度が現実的なスパンであることがわかります。
まとめ:アニメ化決定から放送までには“丁寧な準備期間”がある
アニメ化はファンにとって待ち遠しいニュースですが、
放送までには多くの人と時間が関わる長い準備期間があります。
- 平均期間:1〜2年
- 制作ステップ:企画 → 準備 → 制作 → アフレコ → 放送
- スケジュールは作品の規模や制作体制で大きく変化
アニメ化決定の発表があったときは、焦らず「どんなスタッフが関わるのか」「どんなビジュアルが公開されるのか」を楽しみながら、作品の成長を見守りましょう。



