「アニメのフレームレートって何fpsなの?」と疑問に思ったことはありませんか。
フレームレートは映像の滑らかさを決める重要な要素です。
本記事では、アニメの一般的なフレームレート、映画やゲームとの違い、表現方法まで詳しく解説します。
目次
アニメのフレームレートとは
フレームレートとは、1秒間に表示される静止画(フレーム)の枚数です。
単位はfps(frames per second)で表されます。
数値が高いほど動きが滑らかになり、数値が低いほどカクカクした印象になります。
アニメのフレームレートは一般的に24fpsが基準
日本のテレビアニメや劇場アニメは、24fpsを基準に作られています。
ただし、実際にはすべてのフレームを描くわけではありません。
- フルアニメーション:24fps(1秒に24枚)
- 2コマ打ち:12fps(1枚の絵を2フレームずつ表示)
- 3コマ打ち:8fps(1枚の絵を3フレームずつ表示)
多くの日本アニメは「2コマ打ち」や「3コマ打ち」を組み合わせて制作されます。
アニメで2コマ打ち・3コマ打ちを使う理由
- 作業効率を上げるため
毎秒24枚をすべて描くのは時間とコストがかかります。 - 独特のリズム感を出す
動きを簡略化することでアニメらしい独自のテンポを表現できます。 - 視聴者の想像力を活かす
完全な滑らかさよりも動きの強調や省略で印象を残せます。
ディズニー映画はフルアニメーション(24fps)を多用しますが、日本アニメはコマを省略して独自の表現を作っています。
アニメと映画・ゲームのフレームレートの違い
| メディア | 一般的なfps | 特徴 |
|---|---|---|
| 日本アニメ | 8〜12fps(24fpsベース) | コマ打ちで動きに強弱をつける |
| 劇場アニメ(高品質) | 24fps | 滑らかで映画的な映像体験 |
| 実写映画 | 24fps | 映像表現の標準的なフレームレート |
| テレビ(実写) | 30fps | 滑らかで自然な動きを再現 |
| ゲーム | 30〜60fps以上 | 操作性のため高fpsが求められる |
アニメは「動きを見せる」よりも「印象を残す」表現に重点を置いています。
フレームレートがアニメの印象に与える影響
- 高fps(滑らか)
・リアル感が増す
・アクションシーンやダンスシーンに向く - 低fps(コマを省略)
・独特のリズムやアニメらしさが出る
・印象的なカットを強調できる
・制作コストを抑えられる
日本アニメ特有の「止め絵」や「作画崩壊演出」も低fpsの表現技法の一部です。
高フレームレートアニメの例と特徴
- 君の名は。(劇場版)
背景美術の滑らかさと細かい動きが魅力。 - シン・エヴァンゲリオン劇場版
高いフレームレートで迫力ある戦闘シーンを再現。 - 3DCGアニメ作品(例:BEASTARS)
滑らかさと立体感を活かした映像表現が特徴。
アニメ制作者がフレームレートを選ぶ基準
- 作品のジャンル
コメディや日常系は低fps、アクションは高fpsが多い。 - 制作予算とスケジュール
フルアニメーションはコストが高いため、現場の事情でコマ数を調整する。 - 表現の意図
止め絵で感情を強調する、低fpsで独特のテンポを出すなど。
アニメ視聴環境とフレームレートの関係
- 配信サービス
基本は24fpsで配信されますが、再生環境によって補間が入ることもあります。 - 高リフレッシュレートモニター
120Hz以上のモニターでも、元の映像が24fpsなら変わりません。 - 補間技術(モーション補間)
テレビや再生ソフトが人工的にフレームを追加することで滑らかに見せる機能があります。
まとめ:アニメのフレームレートは表現と制作の両方に関わる重要要素
アニメのフレームレートは基本24fpsを基準にしつつ、2コマ打ちや3コマ打ちを組み合わせて独自の表現を作り出しています。
高fpsはリアルで迫力のある映像を、低fpsはアニメらしいテンポや印象的な演出を可能にします。
フレームレートを知ると、アニメ制作の奥深さや映像の見方がより楽しくなります。



