アニメファンが作品の舞台を訪れる「聖地巡礼」は、今や観光や地域活性化に大きな影響を与える文化です。
では、この聖地巡礼はどこから始まったのでしょうか。
本記事では、アニメ聖地巡礼の発祥の地や歴史、初期の代表作品、文化として広がった背景を詳しく解説します。
アニメ聖地巡礼の発祥の地と始まり
アニメ聖地巡礼の起源ははっきりと一つに特定されていませんが、最初期の代表例としてよく語られるのは埼玉県鷲宮町(現・久喜市)の「らき☆すた」です。
しかし、「発祥」という観点ではさらに古く、1970〜80年代のアニメからファンが舞台探訪を行っていました。
- 最初期の記録的な動き
- 『うる星やつら』(1980年代)…東京都練馬区周辺のモデル地を訪れるファンがいた
- 『めぞん一刻』(1980年代)…東京都のアパート周辺を訪問する人が出てきた
- 観光地化された最初の成功例
- 『らき☆すた』(2007年放送)…埼玉県鷲宮神社を中心に多くのファンが集まり、地域が公式に聖地巡礼を観光資源として活用した最初期の成功事例とされる
文化として「聖地巡礼」が広く認識されたのは『らき☆すた』による影響が大きいです。
アニメ聖地巡礼発祥の地として注目される鷲宮町(らき☆すた)
鷲宮神社がブームの中心に
アニメ『らき☆すた』の登場キャラ・泉こなたたちが初詣する場所として登場した鷲宮神社。
放送後、全国からファンが集まり、年間数十万人の参拝者増加を記録しました。
地域活性化への影響
- 商店街がアニメコラボを積極的に実施
- 地元企業がグッズやイベントを開催
- メディアが「アニメ聖地巡礼」という言葉を報じ、文化として定着
観光庁も注目
2009年以降、「アニメツーリズム」という観光戦略が広がり、公式の聖地巡礼ガイドブックも登場しました。
聖地巡礼が発展する前のアニメ作品とファン活動
うる星やつら(1981〜86年)
高橋留美子作品の舞台モデルを探すファンがすでに存在。
東京都練馬区周辺や高田馬場など、実在の場所を訪れる文化がありました。
めぞん一刻(1986〜88年)
主人公が暮らすアパートのモデル地を訪れるファンが増えました。
「アニメ=現実の場所をモデルにしている」という認識が強まった時期です。
スラムダンク(1990年代)
オープニングで登場した鎌倉高校前駅が有名になり、撮影スポットとして人気に。
観光地化こそしませんでしたが、個人ファンによる訪問が増えました。
アニメ聖地巡礼が観光文化として広がった理由
SNSとブログの普及
2000年代後半にSNSやブログで写真を共有する文化が広がり、ファン同士の情報共有が活発になりました。
地方自治体の協力
アニメを観光資源にする自治体が増加し、ポスター・イベント・コラボ企画を積極的に展開しました。
聖地巡礼を紹介するメディアの増加
アニメ誌やテレビ番組が「聖地巡礼特集」を組むようになり、文化として定着しました。
現在のアニメ聖地巡礼と発展
海外ファンの増加
海外アニメファンが日本の聖地を訪れることが増え、観光業界の重要なターゲットになっています。
公式ツーリズム化
「アニメツーリズム協会」が毎年「訪れてみたい日本のアニメ聖地88」を発表。
国内外のファンがガイドを参考に巡礼を楽しむようになりました。
新作アニメの誘致
自治体が舞台モデルに選ばれることで観光誘致を狙うケースも増えています。
アニメ聖地巡礼発祥を理解するメリット
- 作品の背景を知り、より深く楽しめる
- 聖地巡礼の歴史を知ると観光や文化の広がりを理解できる
- 地方創生や観光ビジネスの事例研究にもなる
まとめ:アニメ聖地巡礼の発祥はファン文化から始まり鷲宮で定着
アニメ聖地巡礼は、ファンが自然に舞台を訪れる文化から始まりました。
「うる星やつら」「めぞん一刻」などで萌芽があり、『らき☆すた』と埼玉県鷲宮町が観光地化に成功したことで広く定着しました。
今では地域活性化や国際観光の重要な要素となり、アニメファンだけでなく社会全体に影響を与える文化となっています。



