2006年に放送されたアニメ『NANA』は、単なる少女漫画原作アニメの枠を超え、音楽・ファッション・恋愛が複雑に絡み合う群像劇として社会現象を巻き起こしました。
この作品の最大の魅力は、作中に登場する2つのバンド、「BLACK STONES(ブラスト)」と「TRAPNEST(トラネス)」の楽曲が、実在のトップアーティストによって歌われた点にあります。
本記事では、アニメ『NANA』を彩った主題歌・挿入歌の全リストと、大崎ナナとレイラの「歌声」を担ったアーティストの情報を徹底的に解説します。
『NANA』の音楽システム:ANNAとOLIVIAの奇跡的な合体
アニメ『NANA』の音楽制作で採用された手法は、キャラクターの「歌唱担当」を別に設けるという、当時としては非常に斬新なものでした。
キャラクターと歌声の担当分離
| キャラクター | バンド | 声優(セリフ) | 歌唱担当(歌声) | 担当アーティスト名 |
| 大崎ナナ | BLACK STONES | 朴璐美 | ANNA inspi’ NANA | 土屋アンナ |
| 芹澤レイラ | TRAPNEST | 平野綾 | OLIVIA inspi’ REIRA | OLIVIA |
この体制により、アニメの物語性を保ちながら、リアリティあふれる本格的なロックサウンドが実現し、作中のバンドが「本当に実在するバンド」であるかのような錯覚を視聴者に与えました。
「inspi’」の意味:キャラクターにインスパイアされた歌
クレジットに記載される 「inspi’ NANA」や「inspi’ REIRA」は、それぞれ「NANA(ナナ)にインスパイアされた」という意味です。これは、単なるキャラクターソングではなく、アーティスト自身がキャラクターの心情と世界観に深く共鳴し、その魂を込めて歌い上げていることを示しています。
オープニング(OP)テーマ:ナナの魂を歌い上げたブラスト楽曲
ナナがボーカルを務めるロックバンド「BLACK STONES(ブラスト)」の楽曲は、情熱的で力強いロックサウンドが特徴です。
| 楽曲名 | 担当アーティスト | 担当話数 |
| rose | ANNA inspi’ NANA | 1話 – 21話 |
| LUCY | ANNA inspi’ NANA | 22話 – 47話 |
- rose: 土屋アンナのパワフルなシャウトと、疾走感のあるギターリフが印象的なブラストの代表曲。ナナの夢を追う情熱と、孤独を打ち破る強さを体現しています。
- LUCY: 「rose」に続き、作品の世界観をさらに加速させるハードでエッジの効いたロックチューン。ブラストのバンドとしての成長を感じさせる楽曲です。
エンディング(ED)テーマ:レイラの切ない歌声が響くトラネス楽曲
レイラがボーカルを務める「TRAPNEST(トラネス)」の楽曲は、大人びたメロディ、洗練されたサウンド、そして切ない恋愛感情を表現するものが中心です。
| 楽曲名 | 担当アーティスト | 担当話数 |
| a little pain | OLIVIA inspi’ REIRA | 1話 – 8話 / 10話 – 18話 / 41話 |
| Starless Night | OLIVIA inspi’ REIRA | 22話 – 32話 / 42話 |
| Wish | OLIVIA inspi’ REIRA | 33話 – 40話 / 47話 |
| LUCY | ANNA inspi’ NANA | 9話 / 19話 – 21話 |
- a little pain: OLIVIAの持つ透明感あふれる歌声と、哀愁漂うメロディが融合したバラード。レイラの心に抱える孤独や切ない愛を表現し、多くの視聴者の涙腺を刺激しました。
- Starless Night / Wish: トラネスのメジャー感と洗練された世界観を象徴する楽曲で、ナナとハチ、そしてバンドメンバーの複雑な恋愛模様をドラマチックに彩りました。
挿入歌リスト:物語の重要シーンを彩る楽曲
アニメ本編では、ライブシーンや重要な感情の転換点で、主題歌以外の数多くの楽曲が挿入歌として使用されました。
BLACK STONES(ブラスト)の楽曲
ナナの初期の衝動的な感情や、メンバーとの結束を表現する、荒々しくも熱いロックが中心です。
- 「Zero」
- 「BLACK TEARS」
- 「Stand by me」
- 「Kuroi Namida」
- 「Shadow of love」
- (※「Shadow of love」はブラストとトラネス両方の名義で存在する)
TRAPNEST(トラネス)の楽曲
レイラの抱える孤独や、メジャーバンドとしての華やかな側面、そしてトラネスメンバー間の繊細な関係を描き出します。
- 「Winter sleep」
- 「Isolation」
- 「Gypsy Lady」
- 「Shadow of love」
『NANA』の歌がもたらした影響と視聴の楽しみ方
アニメ音楽の枠を超えたヒット
『NANA』の楽曲は、アニメファンだけでなく、広く音楽ファンからも支持され、当時のオリコンチャートでも上位にランクインしました。これは、アニメソングというジャンルが世間に広く認知されるきっかけの一つとなりました。
楽曲と心情のシンクロを楽しむ
『NANA』の楽曲を深く楽しむには、「誰の、どんな感情を表現しているか」を意識して聴くことです。
- ナナの曲は、「誰にも頼れない強がりと、夢を掴む渇望」。
- レイラの曲は、「満たされない孤独と、繊細で壊れそうな愛」。
本編を視聴する際、EDや挿入歌が流れるシーンで、キャラクターが今どんな感情を抱いているのかを考えると、音楽が感情を何倍にも増幅させ、より深い感動が得られます。
まとめ:『NANA』の歌は「青春のリアル」そのもの
アニメ『NANA』の楽曲は、ANNA inspi’ NANA(土屋アンナ)とOLIVIA inspi’ REIRA(OLIVIA)という実力派アーティストの参加によって、単なる劇中歌を超えた、一つの音楽作品として昇華されました。
力強いロックと切ないバラード。ブラストとトラネスの対照的な音楽は、ナナとハチという二人の少女の対照的な生き様と友情、そして切ない青春のリアルを、深く視聴者の心に刻みつけました。
サブスクリプションサービスなどで、楽曲を聴きながら物語の余韻に浸ることで、『NANA』の世界をさらに深く堪能できるでしょう。

